Zillow.com という、一般向けの不動産価格を表示するサイトはほとんどの方がご存知だと思う。アメリカの一般大衆向けの不動産サイトではおそらくナンバー1サイトである。Zillowのサイトに入り、自分のエリアを表示させれば、そこに出ているすべての家のマーケット価格が表示されるという、画期的なウエブサイトだ。おそらくZillowが業界の不動産表示のあり方を変えてしまったと言っていいほどのインパクトがあった。2006年にローンチして以来、瞬く間にナスダックに上場させ、未だにその勢いは衰える気配はない。
さて、Zillowが表示する家の査定のZestimate(という)だが、一般の人にはかなり浸透しているが、その便利さに関わらず我々のようなプロは使わない。
何故、使わないのか?
問題は表示される価格が正確とは言い難いからだ。Zestimateは、10%-15%実際の価格からずれているということは、どの不動産のプロに聞いてもおそらくそのように言うだろう。またZillow自身もそれを認めている。
何故、そのようなことが起こるのか?
それは、持ってくるデータのソースが不動産のプロとは少し違うところにある。
Zestimatesは、特定したエリアの登記証書記録(いわゆるパブリックレコード)を集めて、そこから価格を出す。 それらには家の状態やアップグレードは含まれていない。また銀行差し押さえやショートセールなどもすべてひっくるめた単純計算で出すため その理由で価格が高すぎたり低すぎたりすることが起こるのです。
不動産プロは、そのエリアで売れた最も高い物件、最も低く売れた物件のインテリア写真を含むMLS(不動産マーケットレコード)から家の状態やアップグレードなどの情報を加味し、差し押さえ物件は別に扱い、一つ一つをカスタム査定した価格をお客様に提供します。 この方法は、住宅ローン会社が派遣する不動産鑑定人が判断する家の鑑定価格と大きな差は出ることがありません。家の中に何が入っているのか?どのような床やキャビネットの仕上げをしているのかでも価格差が生まれます。当然といえば当然ですが、アメリカ中にある家の価格を瞬時に弾き出すZillowのテクノロジーはすごいですが、あくまでも目安として使うものであるということをご理解ください。