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2007年9月10日月曜日

コーポレーションは何のためにつくるのか?

よく「株式会社は何のために作るのですか」という質問を受けます。

答えは「自分の資産を守るため」ということになります。資産を法人に移すことによっ
て、ビジネスにおいての全責任を会社に負ってもらうことが一番の目的です。

ただし、オーナー自身が関与している負債は守ることができないことも忘れてはなりませ
ん。『PIERCING THE CORPORATE VEIL』・・・コーポレーションでも守れない事、とでも
訳しましょうか。

コーポレーションには様々なタイプがありますが、代表的なものとして「C」と「S」が
あります。今回は最も一般的なC コーポレーションについて簡単にご説明します。

C コーポレーション:
- 株主(STOCKHOLDERS/SHAREHOLDERS)はそれぞれ出資額の範囲内での有限責任
- 株式を売却すれば、容易に資本金を増やすことができ、上場することも可能
- 保険や出張費、年金プランなどを会社の経費として税控除ができる
- 会社組織としての法人税と、オーナーの給与としての個人所得税が二重に発生する

C コーポレーションは、1人で作ることができ、資本金は$1からとなっています。
税制面で得をするために資本金をできるだけ少なくし、オーナーからの貸し付け額を多く
設定するケースがありますが、貸付が多過ぎる場合、税務署は貸付も資本金とみなす場合
があります。

税金報告には、フェデラルはフォーム1120、カリフォルニア州はフォーム100(S株式会社
は1120S、100S)を使います。

税法上において、会社発足から1年以内のいつでも初年度の会計を閉めることができ、そ
れによって会計年度が設定されます。
例えば、8月に設立した会社は翌年の7月までに年度を閉めますが、翌年の3月に閉めた場
合、会計年度は4月~3月と設定されます。
カレンダー年閉め(1月~12月)となるS コーポレーションに対し、C コーポレーション
の場合、この点において、収入の操作が容易になります。
オーナー、役員が給料を取らなければ個人の収入がなかったことになるので、給与を取る
時期をその年度にするか翌年度に回すかで納税面でコントロールができます。

ビジネスの譲り渡しに関しても、株式の譲渡となるので、きちんと手続きを行えば比較的
容易です。

しかし、カリフォルニア州では最低 $800の法人税(STATE INCOME TAX)が掛かる事を
知っておかねばなりません。
法人税を免除されるからと、ネバダ州やデラウェア州の法人を設立しようとされる方がい
らっしゃいますが、ときどき誤解されているケースがあります。
たとえ、ネバダやデラウェアに「本社」があっても、カリフォルニアで収益を上げている
場合、カリフォルニア州で納税をしなければなりません。
※ネバダ州にオフィスをもち、ネバダ州から商品発送を行うインターネットビジネスなど
の場合、ネバダ州法人とみなされます。

法人にした場合、収益が上がっていなくても法人税や会計士、弁護士などへの支払いが発
生し、なかなか軽視できない支出となってきます。
また、不適切な形態の法人を選び、簡単に変更や閉鎖ができずトラブルになることもあり
ます。
専門家と相談し、コーポレーション化するかどうかよく検討されることをお勧めします。